×

ヒロシマ用語集

焼夷弾

空襲で木造家屋焼く

 原爆投下の候補地だった広島には戦時中、空襲(くうしゅう)は、ほとんどありませんでした。しかし、東京や大阪だけではなく、福山、呉、徳山など多くの都市は、無差別爆撃(ばくげき)を受け、多くの市民が犠牲になりました。

 空襲で頻繁(ひんぱん)に使われたのが、M69子弾(しだん)という焼夷弾(しょういだん)です。木造が多い日本の家を焼(や)き払(はら)うために開発されました。

 M69は長さ約50センチ、直径約7センチ、重さ2・8キロの六角形。中には、ナパームというゼリー状の油脂(ゆし)ガソリンが入っていました。端(はし)に火薬が入っていて、屋根や地面に当たった衝撃(しょうげき)で発火し、燃え広がる仕組みです。

 落ちる速度を抑(おさ)えつつ、火薬部分がちゃんと下を向くよう、反対側の端には長さ約1メートルの布が4本付けられていました。  M69は38発ごとにまとめられ、米軍の爆撃機B29から投下されたのです。