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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 高校生平和大使がスイス訪問 核廃絶 国連などへ訴え

 第19代高校生平和大使として、全国各地から集まった仲間21人と一緒にスイスのジュネーブとハイデンに行きました。被爆地広島の高校生として、被爆の実態と被爆者の現在を自分の言葉で伝える役目を果たそうと参加しました。現地では、核兵器廃絶や人権問題などに取り組む団体や高校、国連欧州(おうしゅう)本部を訪問しました。

 国連軍縮部ジュネーブ支局では、局長代行のメアリー・ソリマンさんに会いました。それぞれ核廃絶や原発事故などへの思いを英語で訴(うった)えました。私は、被爆者は放射線による後障害に苦しむだけではなく、生き残ってしまった負い目を持ち、精神的に苦しんでいるという事実を伝えました。

 さらに、被爆者の話を直接聞ける最後の世代になる私たち高校生が、被爆者の苦しみと平和への思いを受(う)け継(つ)ぎ、世界に広めていかなければならない、という決意を述べました。

 ソリマンさんは「高校生の思いの深さから、世界に今も核兵器がある問題性を感じた」「核兵器廃絶運動において高校生の行動は小さなものではない、1人ではない」と話していました。最後に、この1年間で集めた核兵器廃絶を求める署名を手渡(てわた)しました。

 国連や平和団体への訪問を通じ、高校生だからこそ訴える力が大きく、私たちは無力ではないと感じました。また、国は違(ちが)っても、核兵器廃絶と平和な世界の実現に向けて行動している人たちがいると知り、心強かったです。同時に、私たちは日本の戦争被害を訴えるだけでなく、日本の加害面や、今の世界の動きについて学び続けようと思いました。

 平和について、これまで以上に深く考えることができました。このような活動を報告会などで多くの人に知ってもらうなどして、平和への種まきを続けていきます。(高1岡田実優)

(2016年9月26日朝刊掲載)

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