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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 高校生研修プログラム ハワイで折り鶴伝授

 高校の研修プログラムで、米国のハワイを訪れました。印象深かったのは、旧日本軍による真珠湾攻撃があったパールハーバーです。

 車いすに乗った真珠湾攻撃の生存者の男性と出会いました。「広島から来ました」と英語で伝えると、よく来たねと言わんばかりに手をぎゅっと握ってくれました。日本を恨んでいるのではないかと不安だったので、そうではないと確認できて安心しました。

 日本軍の攻撃で沈没した戦艦アリゾナを見て戦争について思いをはせました。第2次世界大戦について、米国による広島・長崎への原爆投下を中心に捉えがちでした。しかし、日本だけが被害者ではないと、あらためて感じました。

 オバマ大統領の母校でもあるプナホウスクールの生徒のうち、同年代の人と一緒に、パールハーバーを訪れた人たちに折り鶴の作り方を教えるボランティアもしました。英語で説明するのはとても難しかったですが、子どもから大人まで熱心に折ってくれました。

 折り鶴は平和の象徴であり、原爆の悲惨さを伝えるものでもあります。かつては敵同士だった日本と米国。戦後70年以上がすぎ、折り鶴を通して平和を願う思いを共有することはとても意味があると感じました。人の命を奪ってしまう戦争は二度と繰り返してはいけないと痛感しました。(高2芳本菜子)

(2016年6月14日朝刊掲載)

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