×

ジュニアライター発信

ジュニアライター この一作 「新版ナガサキ-1945年8月9日」(長崎総合科学大長崎平和文化研究所編) 宗教観の違いに驚き

 本に書いてある被爆体験は、原爆を受けた時の感覚や家族を失った人が多い部分など、広島と、とてもよく似ています。しかし、カトリック信者が多い長崎では「浦上(うらかみ)天主堂の上に原爆が落とされたのは、神の怒(いか)り」と思われていた、というのは、広島とまったく違(ちが)います。宗教と原爆投下が関連付けられるなんて、僕は考えたことがありませんでした。

 長崎に行く機会があったら、この目で浦上天主堂の前庭にあるとされる、原爆の被害を受けた使徒や天使の石像を見たいです。

 また、この本には、核兵器が使われたら、地球上の人類の8割以上が死亡するか重傷で動けなくなり、さらに動ける人も動けない人の看病に時間を取られる、との研究発表が記してありました。今の日常生活が維持(いじ)できないなんて、僕には耐(た)えられません。こういった研究をもっと多くの人が知り、核兵器のない社会にしないといけません。(高1岩田壮)

(2014年12月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ