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ジュニアライター発信

ジュニアライター思い発信 子ども目線 活動に一役 チャイルドライン全国研修

助言や対面相談を提案


 18歳以下の子どもが電話で思いを語ることができる「チャイルドライン」の全国研修が東京で開かれ、中国新聞ジュニアライターの2人を含む小学3年~高校3年の7人が、子どもの立場からチャイルドラインについて意見を述べた。

 全国各地から参加した約130人を前に、質問に答える形で話した。「人に話を聴いてほしい時は」の問いに、ジュニアライターの中学3年、坪木茉里佳(まりか)さん(14)は「思いを吐き出したい時や1人で抱えきれなくなった時。ちゃんと相づちしてほしいし相手の話も聴きたい」と回答。埼玉県鶴ケ島市の小学4年、前淵志保さん(10)は「いじめられている時は優しく真剣にアドバイスし、うれしい時は一緒に喜んでほしい」と答えた。

 アドバイスなどは原則していないが、堺市の高校3年、近藤祐理君(17)は「ほしい時もあるはず。『絶対この子はアドバイスがほしいはず』と分かる場合には、それなりの言葉を掛けて」と発言。ジュニアライターの高校1年、新本悠花(はるか)さん(16)は「『アドバイス要るなら、あげるよ』と最初に言ってはどうか」と提案した。

 今後の改善点では、相談時間延長や学校ごとの説明会、対面相談できる機会づくりが出た。「電話をかけるのは『負け』みたいな思いを取り除けたらいい」と新本さん。坪木さんは「客観的になる一方、そばにいるよ、という優しさを見せてほしい」と求めた。

 子どもたちの意見発表に続き、1994年11月に、いじめを苦に自殺した中学2年、大河内清輝君の父祥晴さん(68)=愛知県西尾市=が講演した。「ひどいことをやっている意識がないのがいじめの怖さ」と指摘。「苦しんでいる子どもたちは助けてほしい、聴いてほしいと思っているが、言っていいかどうか迷っている」とし、「子どもたちの声を聴こうという意思を示し、ホッとできる時間をつくってやれるといい」と話していた。

 全国研修は2年に1回、チャイルドライン支援センターが開催。今回の子どもたちの意見は、2019年の設立20年に向け、あり方を検討するのに活用する。(二井理江)

【参加者の感想】


「子どものため」実感

 「子どもたちの力にもっとなりたい」。質問に答えていて、そんな思いが会場から伝わってきました。チャイルドラインは悩み相談だけでなく、うれしかったことを話したり、暇な時に電話したりしてもいい、気軽なものだと知りました。利用してみようと思います。(中3坪木茉里佳)

緊張解け意見話せた

 いつもは取材で質問する側なので、質問されるのは新鮮でした。本番前は、答えられるか不安で緊張していました。しかし会場の人たちが真剣にメモを取り、うなずきながら私たちの話を聞いていました。なので自分の伝えたい事が話せました。私たちの意見を今後に生かしてほしいです。(高1新本悠花)

(2014年11月3日朝刊掲載)

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