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ジュニアライター発信

平和な世界 どう築く ジュニアライター 米の中高生と議論

 平和をテーマに取材・活動している中国新聞ジュニアライターと米カリフォルニア州北部の中高生が、爆心地から約410メートルにある本川小(広島市中区)で、核兵器や平和学習について話し合った。被爆校舎を使った同小の平和資料館も見学した。

 中学3年~高校2年のジュニアライター7人と、ノースイースト・プレパラトリー・アカデミー中高に通う13~17歳の5人が参加。二つのグループに分かれて意見交換した。

 ジュニアライターが「核兵器はなくせると思いますか」と質問すると、「個人的にはなくなってほしいけど、政治家は強欲だから手放そうとしないだろう」「共和党のトランプ氏が大統領になったら、核兵器の数は増えると思う」と答えていた。平和学習については「核兵器や戦争の恐ろしさを知らない人が増え、高校でも平和の大切さを教えることがない」と米国での現状を説明していた。

 平和資料館は、本川小卒業生の案内で一緒に見学。同アカデミーの生徒は、パキスタンやアフガニスタンの農村地域で女性の人権が侵害されている実態を訴える朗読劇を上演した。

 初めて広島を訪れたハンア・ロビューデスハイスさん(17)は「国際問題に関心を持っている広島の中高生との交流を帰国後に学校で紹介したい」。ジュニアライターの高校2年山田杏佳さん(17)は「米国で平和教育の機会が減っているのを意識している人がいて、心強いと思った。交流を続けたい」と話していた。(二井理江)

(2016年3月28日朝刊掲載)

その他のジュニアライターの感想は以下の通り。

 私の英語が良くないこともあって、話をするのは大変でした。同年代の人と平和に関することで意見交換ができ、とても充実した時間を過ごすことができて良かったです。もっと英語力を磨いて、自分の思いも伝えられるようになりたいです。(中3上岡弘実)

 コミニュケーション手段が英語だったという事もあり、うまく自分の気持ちを伝えることが難しかったのですが、パキスタンの女性の劇や平和資料館見学を通じて日米の共通の平和への想いを再確認できました。(中3上長者春一)

 外国人と資料館を見たり、茶道を一緒にしたりするのは、初めてでした。話をするときには言葉の壁もありますが、相手の国の文化や歴史を知るということも大切だと思いました。(高1正出七瀬)

 中東での女性差別については、学校で学びましたが、私たちにできることは何もないと思ってしました。しかし、アメリカの高校生たちの劇を見て、そんな方法もあったのか!と刺激を受け、さらに彼らの眼差しや声色に胸を打たれました。 ジュニアライターは書いて伝える活動ですが、他の方法で平和を訴えている団体とも協力できれば、もっと良いと思いました。(高2二井谷栞)

 米国の中高生がパキスタン、アフガニスタンの4人の女性の証言を再現した劇をした時、なるべくそのニュアンスを、自分で取れるように日本語の説明文を見ずに観ました。女性が、夫に暴力を振るわれることや、知らない人と立ち話をしただけで殺されてしまうことなど初めて知りました。劇という彼らの活動を知った上で交流して、彼らは平和な世界を作るため!というよりも、事実を知ってもらいたいし、自分たちも知っていきたいという雰囲気だなと思いました。(高1坪木茉里佳)

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