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ジュニアライター発信

復興の願い 歌いたい 広島で30日ピースマイルフェスタ

葵高(福島)交流心待ち

 30日に中国新聞ビル(広島市中区)で開かれる「中高生ピースマイルフェスタ」(中国新聞社主催)には、福島第1原発事故に見舞われた福島県から葵高(会津若松市)合唱部が出演する。被爆地広島では初の公演。復興や平和への願いを歌い上げようと、練習を重ねている。(増田咲子)

 1、2年生30人が午前中の音楽ステージで披露するのは、宮沢賢治作詩の「ポラーノの広場」や、「ここから始まる」など5曲。部長で2年の佐々木奈央さん(17)は「広島と福島は、原爆と原発事故という核の被害で共通する。元気や平和への思いを被爆地に届けたい。言葉では無理でも、歌なら伝えられる」と力を込める。

 福島県では今も約15万人が県内外で避難生活を送る。内陸の葵高にも、3年を含め約30人が沿岸部から避難。佐々木さんは「福島は時間が止まっているかのようだが、嘆き悲しむだけではなく、未来へ希望をつなげていきたい」と強調する。

 フェスタでは、「フクシマの今」など、午後からのワークショップにも参加。広島の中高生たちと交流する。佐々木さんは「友達みたいにおしゃべりしたいし、原発や原爆についての考えも聞きたい」と期待している。

 葵高合唱部は、東日本大震災被災地を支援する、中国新聞社などの「届けよう 希望 元気 キャンペーン」の一環で広島に招く。

希望羽ばたく寄せ書き到着

 中高生ピースマイルフェスタに出演する葵高合唱部から、B1サイズの寄せ書き2枚=写真=が21日、中国新聞社に届いた。

 「ヒロシマ」「復興」「未来」「平和」「希望」などの文字と、平和の象徴のハトをアクリル絵の具で大きく描いている。その周りに「広島の皆さんが頑張ったように福島県もこれから頑張る」「お互いこの歴史を風化させず語り継いでいきましょう」「平和のために何ができるか共に考えたい」など、部員が思いをつづっている。美術部の協力を得て仕上げた、という。

 寄せ書きは、フェスタの会場に掲示する。

活動発信14ブース

 30日の中高生ピースマイルフェスタでは、会場に14のブースを開設する。中高生はじめ若者の平和・国際活動を紹介するパネル展示に加え、国内外のフェアトレード商品を販売する。出展する団体と概要は次の通り。

基町高創造表現コース
 被爆証言を基にした油彩画や平和をテーマにした鉛筆画の展示

原爆資料館中・高校生ピースクラブ
 被爆の実相を伝承し、平和への願いを発信する活動紹介

ワールド・フレンドシップ・センター
 海外からのゲストを受け入れ、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶を訴える活動紹介

広島市立大平和活動サークルS2
 原爆の学習やアフリカに給食を届ける活動などの紹介

修道中2年
 平和学習を基に作った平和新聞の展示

ヒロシマ平和創造基金
 国境を超えて平和創造に貢献しているとして国際交流奨励賞に選んだ3団体と基金の紹介

国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所
 グローバル感覚豊かな青少年の育成のため広島県内の高校生を対象にした「青少年大使プログラム」の紹介

ボーイスカウト広島県連盟
 自然の中で楽しく学び育つ活動紹介

中国新聞ジュニアライター被災地訪問
 東日本大震災の被災地、岩手県を訪れた報告

新潟・長岡南中
 1945年8月1日の長岡空襲と、8月6日の原爆についての学習紹介

サラーム(パレスチナの女性を支援する会)
 パレスチナの現状紹介と、現地の女性たちが刺しゅうした小物やバッグの販売

いきいき産直―広島生き活(い)き農産
 生産者と消費者が対等に付き合える流通活動の紹介と、野菜などの販売

広島アジア友好学院・被爆アオギリのねがいを広める会
 被爆者の故沼田鈴子さんの証言活動を継承する活動の紹介と、アオギリの種や絵本の販売

広島県ユニセフ協会
 ユニセフの活動紹介と文具などの販売

(2013年3月25日朝刊掲載)

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