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ジュニアライター発信

戦禍の記憶 若者が継ぐ ジュニアライターが交流

 平和な世界の実現と核兵器廃絶を目指して取材や活動をしている中国新聞ジュニアライターが、平和学習のために広島を訪れた秋田県能代市の小中学生や、甲南女子中(神戸市東灘区)の生徒とそれぞれ交流した。ジュニアライターの活動を紹介するとともに、原爆や戦争の悲惨さを学び、伝えていく大切さについて共有した。

ヒロシマ取材の重み訴え

秋田の小中学生

 能代市から広島を訪れたのは、外国出身の親と子どもに日本語指導や学習支援をするボランティア団体「のしろ日本語学習会」に通う小中学生4人。交流した5人のジュニアライターは、自分たちの書いた記事や取材方法を話し、若い世代が平和について発信する大切さをアピールした。

 さまざまな視点から平和を捉えて取材するコーナー「Peace(ピース) Seeds(シーズ)」や、原爆や戦争に関する本・漫画を紹介する連載「ジュニアライター この一作」の記事を見せながら1人ずつ活動を説明。被爆者のための住宅を広島に建てた米国の平和活動家フロイド・シュモー氏(1895~2001年)や、被爆建物の保存運動など、各自が取材した記事を紹介した。

 同会の小学生から「原爆ドームが残っていることをどう思うか」と質問されると、「被爆建物が身近にあることで、原爆を日常的に意識し戦争を防ぐ手助けになる」などと答えていた。ジュニアライターの中学3年、山田千秋さん(15)は「地元に帰って広島で学んだことを身近な人に伝えてほしい」と願っていた。

 同会の中学1年、細田樹里亜(じゅりあ)さん(13)は「原爆は教科書で学んだだけだったが、広島に来て過去に悲しい現実があったことを実感した。忘れずに語り継ぎたい」と話していた。メンバー4人は、日本の平和が過去の戦争の反省の上に成り立っていることを実地で学ぶため、3日間の日程で広島を訪れた。(山本祐司)

体験談や資料の力認識

神戸の女子中学生

   研修旅行で広島を訪れた甲南女子中の2年生13人と、中学1年~高校1年のジュニアライター11人は、広島市中区の中国新聞ビル会議室で交流した。6人ずつ四つのグループに分かれて、戦争体験の継承などについて意見を交換した。

 甲南女子中の生徒は「戦争が起こることについて、どう思いますか」と質問。ジュニアライターの高校1年、二井谷栞さん(16)は「武器や爆弾があるだけじゃなく、テレビや新聞、教育なども戦争が起きる要因になる。相手の話を聞くことが大切だと思う」と答えていた。

 また、ジュニアライターが「研修旅行で印象に残ったことは」と問うと、同中の生徒は「被爆ピアノの演奏に合わせて歌って感動した。原爆資料館は怖かった」と話していた。広島と関西の方言の違いやお好み焼き、学校生活など、さまざまな話題でも交流した。

 甲南女子中2年の中井茉実(まみ)さん(14)は「広島の子どもたちが8月6日に学校に行って被爆者の話を聞くなどしているってすごい、と思う。自分たちも、神戸空襲など地元について知っておかないといけないと思った」と話していた。(二井理江)

(2014年10月6日朝刊掲載)

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