×

ジュニアライター発信

欧州取材 思い全国へ ホロコーストツアーにジュニアライター参加 ルポやインタビュー 7地方紙に掲載

 ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を学ぶ欧州スタディーツアー(主催・公益財団法人ヒロシマ平和創造基金)に参加した中国新聞ジュニアライター2人の書いた記事が、全国七つの地方紙に掲載された。アウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)やアンネ・フランクの隠れ家(オランダ)を訪れた被爆地の若者の思いが、全国に伝わっている。(山本祐司)

 3月下旬に現地を訪れた高校3年河野新大(あらた)さん(18)と、同2年鼻岡舞子さん(17)が、ルポやインタビュー、感想を書いた。記事は4月9日付の中国新聞の特集「ピース・シーズ」に、2ページにわたり掲載した。

 全国の地方紙が記事を交換し、掲載する取り組みの一環。子ども新聞に載せ、同じ若い世代に読んでもらう新聞社もあった。河北新報(仙台市)は「戦争と平和、ポーランドで考えた」と見出しで訴える。アウシュビッツ収容所跡に展示されている犠牲者の顔写真や、ユダヤ人を乗せて収容所まで運んできた家畜用の貨車などの前で取材する2人の写真を並べた。

 2週に分けて伝えた琉球新報(那覇市)は、アウシュビッツ生還者の証言記事も掲載。アンネの日記については、「小さな字でぎっしり」と実物を見た鼻岡さんの印象を強調させた。

 このほか、「大虐殺の現場に衝撃」(東奥日報=青森市)▽「ホロコーストの悲劇伝える」(京都新聞)▽「過去を知る大切さ」(神戸新聞)▽「罪なき犠牲繰り返すな」(高知新聞)▽「ホロコーストは人類最大の過ち」(西日本新聞=福岡市)―との見出しで紹介した。

 琉球新報NIE推進室の座波(ざは)幸代記者は「高校生の感じた生々しさがよく伝わる記事だった。海外にも目を向け、子どもが平和について考えるきっかけになった」と話していた。

(2015年8月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ