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ジュニアライター発信

特別支援学校生が朗読劇 支え合う大切さ知る

 広島中央特別支援学校(広島市東区)の朗読劇クラブ高等部普通科のメンバー4人が、創作朗読劇「WarandNow(ウォー・アンド・ナウ)」を広島駅南口地下広場(南区)で上演しました。

 テーマは視覚障害者と戦争。弱視者である春風実希(はるかぜ・みき)はある日、祖母の弟で、同じ弱視者だった夏瀬優(まさる)の日記を見つけます。優は戦時中、「弱視者だから役に立たない」「邪魔(じゃま)だ」などと周囲から非難され、姉の秋那(あきな)まで冷たい扱(あつか)いを受けていました。

 それでも、優は「役に立ちたい」と言い続けます。しかし空襲(くうしゅう)に遭(あ)い、願いを果たせないまま亡くなりました。秋那は「戦争のない世界、みんなが胸を張って生きられるような世界をつくるから」と決意します。

 脚本(きゃくほん)は、出演した4人が意見を出し合って作成。インターネットなどで障害者が戦時中に受けた扱いを調べ、自分たちが実際に受けたいじめなどもにじませました。1年の石原汐恩(しおん)さん(15)は「戦争中などどんなつらい状況(じょうきょう)でも、支えてくれる人が1人はいることを伝えたかった」。優役で2年の組地弘真(くみぢ・こうま)さん(17)は「役になりきって演じることができて気持ちよかった」と振り返っていました。

 テーマでもある平和について、部長で3年の小野友梨香さん(17)は「障害があっても勉強したり学校に行ったり普通(ふつう)の生活が精いっぱいできること」。3年の目代(もくだい)みゆきさん(18)は「いろんなことができること」と話していました。

 人はそれぞれ得意、不得意なことがあります。障害の有無にかかわらず、相手を理解しようとしたり、助け合ったりすることこそがとても大切だと気付きました。(高1上岡弘実、中3鬼頭里歩・写真も)

(2016年9月14日朝刊掲載)

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