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ジュニアライター発信

猿猴橋復元の会 戦前の広島知る契機に

 広島駅(広島市南区)の南口にある猿猴橋(えんこうばし)町と的場町をつないでいる「猿猴橋」という橋があります。1926年に架(か)けられ、下を流れる猿猴川から名前が付けられました。

 その後、太平洋戦争に伴(ともな)う金属収集で取り外された親柱や欄干(らんかん)の装飾(そうしょく)を復元しようと、「猿猴橋復元の会」(同)が2008年7月に結成されました。

 会は、寄付を集める活動をはじめ、広島市立大に協力を依頼(いらい)して、装飾があった時代の猿猴橋の模型やコンピューターグラフィックス(CG)画像などを作成してもらったり、広島市役所へ復元のお願いをしに行ったりしました。

 会は、地球儀(ちきゅうぎ)の上にワシがそびえる親柱のモニュメントを橋のそばに作ろうとしていました。しかし広島市が、2015年に被爆70年を迎(むか)える事業として橋を復元する方針を決めたため、現在はモニュメントの装飾部分だけを川岸に設置し、誰(だれ)でも触(ふ)れられるようにしたいと考えています。さらに、橋の復元後は、保存会として活動を続け、市と協力して冊子を作ったり祭りをしたりしたいそうです。

 会長の大橋啓一(けいいち)さん(67)は「猿猴橋をきっかけに、戦前の広島の歴史も知ってほしい」と話していました。(高1・中原維新)

(2014年4月21日朝刊掲載)

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