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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「ダイヤモンドより平和がほしい」(後藤健二著) 隣人思いやる大切さ

 表紙の少年は、アフリカ西部、シエラレオネの内戦で両親を反政府軍に殺されました。そのまま兵士に連れ去られ、銃(じゅう)を撃(う)つ訓練を受けました。大人に命じられるままに「戦闘マシン」となり、今度は自分が罪のない人々を殺す側に。人々の悲しみは絶えませんでした。

 著者の後藤さんは、過激派組織「イスラム国」に殺されたとみられるジャーナリスト。彼が取材したシエラレオネでは、産出するダイヤモンドの富をめぐり、20世紀後半から内戦が続きました。本は、表紙の元少年兵や、腕などを切り落とされた大人や子どもの悲痛な体験を描くとともに、憎しみを乗り越え、平和を願う彼らの声を伝えています。

 僕と同年代の人たちが戦争に巻き込まれ、被害者にも加害者にもなる現実を知りました。「自分だったら、どうするだろうか」。想像すると、戦争の残酷(ざんこく)さや非人道さを身近に感じることができ、海外の現状にも目を向けるようになりました。自分と違う相手を憎むだけでなく尊重することは、戦争を防ぐ手だてになります。この本は、自分の隣にいる人を思いやる大切さを教えてくれました。(高3河野新大)

(2015年6月8日朝刊掲載)

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