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ジュニアライター発信

Peaceあすへのバトン 10年目のジュニアライター卒業生の今 短大生・佐々木玲奈さん=米国カリフォルニア州

英語話せる国際俳優に

 「世界中の人に影響力を持てるようになりたい」。そんな思いを実現させようと、俳優になる道を選びました。夢に向かって励んでいます。

 中学2年の春から高校1年の秋まで2年半続けたジュニアライター。祖父をはじめ被爆者に体験を聞き、平和活動している人を取材しました。「いろんな人と関わる機会があった」と喜ぶ一方で、「自分一人の力では何もできない、と思った」と話します。

 どこか窮屈な日々から「日本を飛び出したい」と家族を説得し、1~6歳の幼児期を過ごした米国カリフォルニアに向かったのが2012年。現地で高校を卒業し、短大に入りました。今は、ロサンゼルスから車で南東に約1時間のアーバインに暮らしています。

 米国のハリウッド映画を見て、アジア人女性が登場する作品が少ない、と感じています。「映画は社会を反映している。アジア人が出る映画が少ない、というのは、白人が中心でアジア人の力が弱く、男性より女性が弱い社会ということ。これを変えたい」

 たまに出てくる日本人女性を演じているのは、多くが韓国人や中国人。「英語ができる日本人女優として知名度が上がれば、男性とも張り合えるし、社会的な影響力も高くなるはず」と強調します。

 9月末から10月初めにかけてカナダのオタワで開かれた「ワン・ヤング・ワールド・サミット」にも参加しました。世界中から18~30歳の若者約1300人が集まって、難民や貧困、環境など、さまざまな社会問題について話し合う会議です。

 サミットでは、米国人歌手のシェールが動物愛護について話したり、英国人俳優のエマ・ワトソンが女性の権利について話したりするのを聞きました。「著名な人たちが語る言葉には説得力があった。お金もある。自分も彼女たちのようになりたい」

 現在通う短大では、演技を学んでいます。テレビや映画での演技について、カメラを見ずに、いかに自然な動きを見せるかなどを授業で習っています。

 俳優として成功したら、平和活動の一つとして、子どもの人権を守る活動をしたい、と考えています。「子どもは大人にコントロールされやすく、たとえ虐待を受けていても無力だから」。子どもが気軽に駆け込める「おばあちゃんの所みたいな、子どもの居場所をつくりたい」と思いを巡らせています。

 学校や学年を超えて活動していたジュニアライターの仲間たち。4年たった今も連絡を取り合っています。国際問題や女性の人権、今回のサミット参加に向けた事前準備―。いろんな議論や相談をしています。「ジュニアライターの仲間が世界中にいる、といえる」。心強さを感じています。(二井理江)

(2016年11月27日朝刊掲載)

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