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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 広島で映画ロケの深作健太監督に聞く 途上国の子ども 輝く笑顔

 2011年公開の映画「僕たちは世界を変えることができない。」の監督、深作健太さん(40)にインタビューしました。制作のきっかけについて、「途上国の子どもの笑顔はキラキラしている。日本と比較(ひかく)したかった」と答えてくれました。

 この映画は、日本の医大生が、物足りない日々を変えるため、仲間とカンボジアに学校を建てるまでの奮闘記(ふんとうき)を、実話に基づいて撮影(さつえい)しました。

 募金(ぼきん)や物資の援助(えんじょ)にとどまらない、主人公の「寄(よ)り添(そ)いたい」という真っすぐな気持ち。現地の人々を本当に喜ばせたと思います。ボランティア活動について、深作さんは「お金と熱い思い。どちらかだけでも駄目。無理のないように続けるのがいい」と言います。

 現地での撮影中、泥(どろ)で汚(よご)れたスタッフの靴(くつ)を、自分たちが遠くからくんで来た貴重な飲み水で丁寧(ていねい)に洗ってくれたカンボジアの人たち。私たちは、そのくらい人に親切にできるのか、今の私たちには難しいのではないか、と考えさせられます。

 深作さんは昨年夏、広島で新しい映画「夏休みの地図」を撮影しました。子ども目線で「広島らしさ」を描こうとしたそうです。一緒(いっしょ)に作ったキャストや広島の人、そして世界中の人たちに「画一化されていく社会の中、今の広島を見てほしい」と望んでいます。(中3・高矢麗瑚)

(2013年2月4日朝刊掲載)

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