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ジュニアライター発信

NPO法人「I PRAY」 原爆テーマに創作劇

 NPO法人「I PRAY」(アイプレイ、広島市中区)は、原爆を題材にした同名の創作劇(そうさくげき)を演じている団体です。

 「私は祈(いの)る」という意味。グループの中心メンバーでもある木原世宥子(ようこ)さん(南区)が1996年、戦争やいじめのない世界を願い、この劇を作りました。現代の街に原爆が落とされ、焼け野原から人々が立ち上がるというストーリーです。

 以来、毎年8月上旬(じょうじゅん)ごろに広島市内で定期公演をしています。2010年に、NPO法人になりました。

 今年は8月1日、中区のアステールプラザで公演します。今、広島、呉、岩国市などの小中高生を中心とした約40人のメンバーが、練習に励(はげ)んでいます。

 「全身をやけどし、親や友達を捜(さが)すのは、どんな気持ちだろう?」。指導者で被爆2世でもある木原さんは、演じている子どもたちに問(と)い掛(か)け、被爆者の気持ちを想像してもらうように工夫しています。

 稽古(けいこ)を通して、メンバーは「戦争は怖(こわ)い」と考えるそうです。被爆死する役を演じる山陽高2年石田悠稀(ゆうき)君(16)=中区=は「観客が涙(なみだ)を流してくれているのを見ると、自分たちの気持ちが伝わったと実感する。原爆の恐(おそ)ろしさを人々に伝えたい」と話していました。(高3・秋山順一、写真も)

(2013年7月8日朝刊掲載)

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