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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 英の10代と意見交換

和解の精神 平和導く鍵

 中国新聞ジュニアライター7人は、英国コベントリーの13、14歳の生徒とインターネットを使ったテレビ電話で平和について意見交換(こうかん)しました。コベントリーは第2次世界大戦中の1940年11月、ナチス・ドイツ軍の空襲(くうしゅう)で壊滅的(かいめつてき)な被害(ひがい)を受けました。しかし「報復ではなく和解を」と呼(よ)び掛(か)け、その精神は現在も続いています。

 交流相手は、日本の中高生に当たる生徒が通うキングヘンリー8世学校の約100人。私たちは「なぜ空襲被害の後、和解の精神を持つことができたのですか」と尋(たず)ねました。

 コベントリーの生徒は「全てのドイツ人が悪いわけではない。(空襲を決めた)政策(せいさく)が悪かった」と答えました。やられたらやり返すのではなく、世界のできるだけ多くの人が和解の心を持てば、争いはなくなると感じました。

 平和のため、自分たちができることも話し合いました。「互(たが)いの都市で戦争中に起きたことをよく学ぶことが大切だ」との意見で一致(いっち)しました。

 意見交換の前に、それぞれが「はだしのゲン」で知られる漫画(まんが)家故中沢啓治(なかざわ・けいじ)さんの被爆体験などを描いたドキュメンタリー映画(えいが)を観賞。感想を聞くと、「とても衝撃(しょうげき)を受けた。でも実際にあったことをきちんと伝えてくれている」と答えてくれました。少しでも原爆の恐(おそ)ろしさを知ってもらえてよかったです。

 いつかは、コベントリーへ行き、戦争の遺跡(いせき)を見たり、空襲被害者の証言を聞いてみたりしたいです。(中3・岩田壮)

(2013年7月15日朝刊掲載)

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