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ジュニアライター発信

劇団F 舟入高出身者が原爆劇

 劇団F(広島市中区)は、1980年に設立された、舟入高(中区)演劇部の出身者による劇団です。卒業後も劇をしようと結成されました。卒業した部員は全員所属しており、卒業したばかりの人から60歳まで計約500人がいます。

 公演の時は、都合が合うメンバーが集まります。8月13日に上演した「あたら さくらの、…2013」では20人余りが参加しました。

 これまで11作品を公演。40年余り前、演劇部が原爆をテーマに公演するようになった時に顧問(こもん)だった伊藤隆弘さん(74)が99年に同校の校長を退職してからは、伊藤さんの作品を演じています。

 「あたら さくらの、…2013」は代表の三島敦さん(30)が高校時代に主役を演じた作品です。しかし中国大会に進出できず、「消化しきれなかった。今やってみたら面白いかな」と上演を決めました。

 実は、三島さんは高校時代、原爆劇を演じることにためらいがありました。その後、「原爆について分からないからやらないのではなく、分かろう、知ろう、とすることが大切だ」と気付き、劇を通じて伝える役割を担うことにしました。

 舟入高演劇部OB会長の片山稔彦さん(60)は「みんなの力を集めて、一つのものを作れることが演劇の魅力(みりょく)」と話します。

 2015年に被爆70年を迎えます。「人数が集まれば、伊藤先生の作品でぜひ公演したい」。三島さんは、そう意気込(いきご)んでいます。(高1・河野新大、中3・中野萌)

(2013年9月10日朝刊掲載)

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