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ジュニアライター発信

観音中 戦争・被爆体験 聞き取り

 観音中(広島市西区)の生徒は毎年、8月6日の広島原爆の日を前に、戦争や被爆体験の聞き取りをしています。

 観音中は、原爆が落とされた時は、第二国民学校と呼(よ)ばれていました。建物疎開(そかい)作業などに出ていた生徒と教員ら250人以上が、原爆で亡(な)くなりました。慰霊碑(いれいひ)が、中区土橋町の平和大通り緑地帯にあります。遺族(いぞく)や被爆者らを対象にした体験の聞き取りは2008年から、慰霊祭の時に行っています。

 今年は1~3年のクラス代表の32人が、参列者から話を聞きました。2年の西林渚(なぎさ)さん(14)は70歳代の男性から「しっかりと学び、二度と戦争を繰(く)り返(かえ)さないようにしてほしい」というメッセージを託(たく)されました。西林さんは「平和な世界をつくるため、勉強を続け、原爆や戦争について周りの人に伝えたい」と話していました。

 聞き取った内容は毎年、模造(もぞう)紙にまとめて校内に掲示(けいじ)したり、学年ごとに発表したりしています。

 中山昭彦校長(57)は「今の平和が築かれたのは、先輩(せんぱい)たちの犠牲(ぎせい)があったから。10代の若者(わかもの)には、平和を維持(いじ)する努力をしてほしい」と願っています。(高2・井口優香)

(2013年10月28日朝刊掲載)

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