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ジュニアライター発信

ジュニアライターこの一作 「アンネの日記」(アンネ・フランク著) 同世代を思い胸痛む

 先日、東京都内の図書館などで、「アンネの日記」破損事件が起きました。なぜ犯人は同じ本を300冊も破ったのか、どんなことが書いてあるのか、そう思い、私はこの本を手に取りました。

 アンネは友達関係や勉強について、周りの人への不満なども書いています。私と似ている部分がたくさんあって、とても身近に感じました。そんな私と同世代の女の子の自由と、未来までも奪(うば)うのが戦争だと考えると胸が痛いです。

 1944年3月29日の日記に「戦後10年もたってから、私たちユダヤ人がここでどんなふうに暮らし、どんなものを食べ、どんな話をして過ごしたかを語っても、ひどく奇妙(きみょう)に聞こえるだけで、きっとぴんとこないでしょう」とつづられています。戦後69年たった今、戦争について伝え聞いて、風化させないことがどれだけ難しいか、そしてそれがどれだけ貴重なことか。アンネの口からも戦争体験を聞いてみたかったです。

 突如(とつじょ)、同年8月1日で終わる日記。その後、アンネは何を見て、どんな思いで15年の生涯(しょうがい)を終えたのでしょうか。(中3正出七瀬)

(2014年9月1日朝刊掲載)

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