×

ジュニアライター発信

ジュニアライターこの一作 「ぼくは満員電車で原爆を浴びた」(語り・米沢鉄志、文・由井りょうこ) 69年前のあの日 鮮明

 この本の主人公である米沢鉄志(よねざわ・てつし)さんは、11歳の時、満員電車にお母さんと乗っていて、八丁堀(広島市中区)で被爆しました。爆心地から約750メートルでした。

 米沢さんとお母さんは、広島城の方へ歩いて逃(に)げました。私は学校に行く時、広島城の前を通るのですが、主人公が69年前の8月6日に、この辺りを歩いていたと思うと、いたたまれない気持ちになります。

 この本は、事実が淡々(たんたん)と書かれています。しかも鮮明(せんめい)に表現しています。作者の感情的な部分が少なくて、とても読みやすかったです。私は一気に読み終えました。作品を通して、原爆で目玉が飛び出していた人がいた、ということも初めて知りました。

 つらい内容ですが、今、若い人たちに読んでほしい一冊です。(中3山田千秋)

(2014年9月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ