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ジュニアライター発信

ジュニアライター この一作 「ピカドンたけやぶ」 被爆直後 地元の逸話

 原爆が落とされた時、たくさんの人たちが避難(ひなん)してきた、牛田地区(広島市東区)に実際にある竹やぶを舞台に描(えが)かれた絵本です。ひどいやけどを負った主人公かずゆき少年は、竹やぶに守られながら看病され、2年後に元気を取り戻(もど)します。

 牛田地区に住む私は、幼稚園(ようちえん)と小学校の平和学習で何度もこの竹やぶに行っています。とても静かな場所ですが、69年前には本当に多くの人が苦しんでいたのだと絵本から想像しました。

 書き出しは、竹やぶに入った「ヨッちゃん」という少女がイタチと出会い、昔の話を聞かせてもらうという設定。私も同じ「ヨッちゃん」です。作者のはらみちをさんに会って絵本にサインしてもらったのをきっかけに1人でたけやぶに行ってみたこともあります。道に迷いながら原爆について考え、胸に刻みました。

 竹やぶには「ピカドンたけやぶ」と書かれた石碑(せきひ)が置かれています。竹やぶを歩いたり絵本を読んだりしながら、多くの子どもたちに地元の歴史を学んでほしいと思います。(中1平田佳子)

(2014年6月30日朝刊掲載)

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