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ジュニアライター発信

インドの中高生 被爆地学ぶ ジュニアライターと交流 友情築く大切さ認識

 インド南部のバンガロール市の中学・高校生6人が平和学習と異文化理解のため被爆地広島を訪れ、同世代の中国新聞ジュニアライターと交流した。平和をテーマに意見を交換。一緒に原爆の子の像(広島市中区)に折り鶴をささげ、核兵器のない世界の実現を共に願った。(山本祐司)

 広島を訪れたのは、中高一貫校のアンソニー・クラレット・スクールに通う14~16歳の男女。インドと広島の友好を育む市民グループ「インドチャイ倶楽部(くらぶ)ひろしま」(東広島市)の招きで初めて来日した。中国新聞ビル(中区)であった交流会では新聞編集の様子を見学、ジュニアライター7人と親睦を深めた。

 昨年、同倶楽部が主催したスタディーツアーに参加して同校を訪れたジュニアライターで高校3年の岩田壮さん(17)が、活動を英語で紹介。1ページ特集の「ピース・シーズ」や8月6日の取材を、スライドを使って説明しながら「平和は大切だというメッセージを常に発信している」と話した。

 意見交換では、服装や家といった身の回りの話題に加え、平和についても英語で話し合った。インドの生徒は「国内では(パキスタンと接する)カシミール地方で紛争が続く。社会や家庭、心の中が平和であるよう心掛けたい」。ジュニアライターは「平和な世界をつくるためには友情を育むことが大切」と指摘した。

 インドで好まれるチャイを生徒の引率教員が作り、楽しんだ。最後に、折り鶴に平和のメッセージを一緒に書き込み、原爆の子の像にささげた。

 日本の高校1年に当たるアン・テレサさん(16)は「広島の人がどのように被爆の痛みを克服してきたか学んだ。帰国後、ジュニアライターのような平和サポーターをつくりたい」。中学2年の目黒美貴さん(13)は「身ぶり手ぶりでコミュニケーションしたが、もっと英語を学び、ヒロシマの歴史を伝えたい」と話していた。

 生徒らは、広島に6日間滞在。平和記念公園を見学し、広島なぎさ中高(佐伯区)の生徒とも交流した。

(2016年9月5日朝刊掲載)

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