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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 岡まさはる記念長崎平和資料館 加害の歴史 直視し学ぶ

 岡まさはる記念長崎平和資料館(長崎市)は、平和運動に取り組んだ牧師の故岡正治さんの遺志を受(う)け継(つ)ぎ、アジアでの日本の加害の歴史について、当時の写真や死没(しぼつ)者名簿(めいぼ)などを展示しています。

 朝鮮(ちょうせん)女子勤労挺身(ていしん)隊として日本に連れてこられ、工場などで働かされた約10万人の14~16歳の少女や、日本に逆らっているとして殺害された朝鮮半島の人々の写真。強制連行された端島(はしま)炭坑(通称・軍艦(ぐんかん)島)など、劣悪(れつあく)な環境(かんきょう)で亡くなった多くの朝鮮人・中国人に関するコーナーもあります。

 特に恐(おそ)ろしかったのは、10万人ものアジアの人たちが、タイ―ミャンマー間を結ぶ軍用鉄道開発のため労働を強いられ、「枕木(まくらぎ)の数だけ死者がでた」という記述と写真です。抗日的(こうにちてき)な人を選び出し、死刑とする「大検証」が行われたシンガポールでの写真もありました。語学研修で2年前にシンガポールに行った時、現地の学生はとても優しくしてくれましたが、そんなむごい出来事があったとは知りませんでした。

 大量の米を強奪(ごうだつ)し、麻(あさ)の強制栽培(さいばい)によって約200万人も餓死(がし)したベトナムでの、大量の頭蓋骨(ずがいこつ)と痩(や)せ細(ほそ)った少女の写真もありました。

 私は、原爆や空襲(くうしゅう)などの被害(ひがい)だけではなく、日本の加害についても目を背けず学び、考えることが大切だと思いました。(高1岡田実優)

(2016年7月12日朝刊掲載)

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