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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 ひろしまフラワーフェスティバル ステージ企画に24人が参加

折り鶴の願い 届いて 写真・クイズで背景紹介

 2017ひろしまフラワーフェスティバル(FF)に、中国新聞ジュニアライターも4日のステージ企画で参加しました。テーマは「折り鶴はどこへ」。平和の象徴(しょうちょう)になった歴史的な背景から再生紙に生まれ変わるまでを、中学生と高校生の24人が協力して写真とクイズで紹介(しょうかい)しました。(高2岡田実優、岩田央)

 3部構成で展開。第1部の折り鶴の歴史を説明するチームは、2歳で被爆し12歳で亡くなった佐々木禎子さんが、白血病と闘(たたか)いながら鶴を折ったエピソードを伝えることが主な目的です。1958年5月5日のこどもの日に合わせ、原爆の子の像の除幕式が開かれたことなども、当時の写真を交え説明しました。

 昨年5月に広島を訪れた米国のオバマ大統領(当時)が贈った折り鶴にも触(ふ)れ、海を越(こ)えて広がる平和の願いも伝えました。

 続いて第2部は、折り鶴について書いた2冊の本を発表しました。作品はジュニアライターが中国新聞の紙面で平和に関する本をおすすめする「この一作」の記事からピックアップ。会場を訪れた小さな子どもも読める絵本「おりづるにのって」と、禎子さんの一生と友だちの輪をつづった「INORI」のあらすじをたどりました。

 折り鶴が再生され、利用される過程を追った第3部。平和記念公園(広島市中区)に集まった折り鶴がどこへ行き、どのように再生されるかを紹介しました。事前の話し合いで、いかにして来場者の関心をひくか、みんなで頭をひねった「見せ場」です。

 広島市に保管された折り鶴の量を問うクイズは、その一つです。実際に保管されている袋入りの鶴を最初に見せて出題。全部の量が安佐動物公園(安佐北区)の人気者、アフリカゾウの「メイ」ちゃんで約28頭分になることをイラストで解説すると、会場から「わあ」と歓声(かんせい)が上がりました。

 当日までの準備も頑張(がんば)りました。折り鶴再生紙を作るファニー作業所(佐伯区)や木野川紙業(西区)を訪れ、担当者から作り方を聞いて台本を考えたので、発表に熱がこもりました。終了(しゅうりょう)後、私たちが作った折り鶴再生はがきを来場者の皆さんに配ると、笑顔で受け取ってくれました。平和について考えながらメッセージを書き込(こ)んでもらえたらうれしいです。

当日の出題から

【Q】
①佐々木禎子さんは主に何の紙で鶴を折ったでしょう?
②広島市が保管している折り鶴は何トン?
③昨春から、広島市立の学校で折り鶴再生紙が使われているものは?

【A】
①薬の包み紙
②約60トン
③卒業証書

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「挑戦」の年 成功に感謝

総合リーダー 高2 岡田実優(16)

 「挑戦(ちょうせん)」の年にしようと意気込(いきご)んで臨んだ今年のステージ。昨年と異なり、一つのテーマでステージを作りました。準備では、最初の会議からメンバーの意見が二つに分かれるなど、道のりは困難でした。しかし各リーダーの協力や先輩(せんぱい)たちからもらった助言で、無事に成功させることができました。皆(みな)さんに感謝します。見てくれた人には、今回の発表を思い出しながら、鶴を折ってほしいと願います。

先輩たちの応援 心強く

副リーダー 高2 岩田央(16)

 2年連続で副リーダーを務めました。ことしは全員の活動をサポートする役割が増したので責任をより感じ、不安も募(つの)りました。本番は緊張(きんちょう)し、せりふをうまく言えなかったことが反省です。それでも卒業したジュニアライターの先輩たちが応援(おうえん)に駆(か)け付け、リラックスさせてくれたことが心強かったです。みんなが会議で出し合った多くのアイデアを生かしました。多くの人に発表を見てもらえ、努力が実りました。

クイズ盛況 とても励み

折り鶴の歴史紹介リーダー 高2 上長者春一(17)

 僕はこれまで佐々木禎子さんの思いを十分知らず、鶴を何げなく折っていました。今回、みんなで協力して調べ、折り鶴に込(こ)められた意味や背景が分かるようになりました。原爆に関するテーマは「難しい」と思われがちですが、本番ではたくさんの人がクイズに参加してくれ、とても励(はげ)みに感じました。これからも身近なことを題材に、精力的に取材を重ね、平和への理解を深めたいと思います。

「この一作」思いを発表

折り鶴の本紹介リーダー 高2 上岡弘実(16)

 「この一作」を通して折り鶴のことを知ってもらおう、というのは私の提案でした。記事をきっかけに本を実際に読み、自分なりの感想を持ってほしかったからです。短時間でこの思いがどうしたら伝わるかを懸命(けんめい)に考え、準備しました。舞台での発表の後、観客から温かい拍手(はくしゅ)を受け、それまでの緊張がほぐれました。多くの人が平和に関する本を手にすることを願っています。

はがき化を工夫し説明

折り鶴再生チームリーダー 高2 沖野加奈(16)

 世界から「原爆の子の像」に届く折り鶴がどのように再生されるか―。総量を象の体重に例えて問うなど、クイズで分かりやすい工夫をして伝えました。来場者に配った再生紙のはがきは、障害者の通所(つうしょ)施設の協力を得た手作り品。多くの人の平和を願う気持ちが詰(つ)まったお土産です。私が考えたテーマ「折り鶴はどこへ」を基に、全員で意見を出し合い構成したステージは宝物の思い出になりました。

(2017年5月9日朝刊掲載)

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