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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 イスラム教学ぶイベント 直接対話 理解深めた

 イスラム教への理解を深めてもらうイベント「はじめまして、イスラム」(国際協力機構中国など主催(しゅさい))が、広島市総合福祉センター(南区)で開かれました。高校生から社会人まで約100人と広島県在住のイスラム教徒約15人が参加しました。

 まず1時間程度、広島イスラム文化センター(東広島市)のアブドゥーラ・バセムさん(49)によるイスラム基礎(きそ)講座を受けました。イスラム教徒は、キリスト教徒に次いで世界で2番目に多いことや、礼拝の手順、食事ができない人の気持ちを理解するという断食の意義などを知りました。さらに、1日に5回ある礼拝の時刻を知らせる歌のようなものを実際に聞いたり、礼拝の様子を見たりしました。

 その後、10のグループに分かれて交流しました。聖地メッカでは、貧富の差が表れないようにするためにみんなが白い服を着ていることや、礼拝の時には自分や家族のためだけでなく、世界の平和も願うと知りました。イスラム教の語源は、アラビア語で平和を意味する「サラーム」というのも驚(おどろ)きでした。

 同じグループになった、パレスチナ出身で広島大大学院生のモタズ・サブリさん(30)は「一部過激派の活動が目立っているが、イスラム教は本当は平和的な宗教であることを、みんな熱心に聞いてくれてうれしかった」と話していました。

 今回、交流した人はみんな、思いやりの精神を大切にしていました。イスラム教徒と聞くと特殊(とくしゅ)な人のイメージでしたが、とても気さくで楽しい時間を過ごせました。実際に出会い、交流して、真実を知ることが大切だと思います。(高3二井谷栞)

(2017年3月6日朝刊掲載)

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