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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」(アンドレス・ダンサ、エルネスト・トゥルボヴィッツ著)

本当の豊かさ考えた

 南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の半生について書かれています。ムヒカさんは、2012年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催(かいさい)された国連持続可能な開発会議(リオ+20)でのスピーチで世界的に有名になりました。「世界でいちばん貧しい大統領」といわれています。

 ムヒカさんは貧しい家庭に生まれました。若い頃(ころ)、ゲリラ活動により警察に捕まってしまいます。独房(どくぼう)で過ごす中、人はわずかな物だけでも幸せになれることに気付きました。

 「貧乏(びんぼう)とは少ししか持っていないことではなく、無限に多くを必要とし、もっともっと欲しがることです」。ムヒカさんのリオ+20のスピーチで最も印象に残った言葉です。私は、国を豊かにしようとすることが、戦争が始まる理由の一つになっていると思います。しかし、資源やお金があることが豊かなのではなく、みんなが幸せに暮らすことが本当の豊かさだと思います。

 また、それが平和をつくるうえで、最も大切なことです。本当の豊かさや、平和を考えるきっかけになる本だと思います。(中3岡田日菜子)

(2017年1月23日朝刊掲載)

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