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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 原爆資料館で清掃体験 展示品の大切さ 実感

 昨年末、4月に展示内容を一新した原爆資料館(広島市中区)の本館で、常設展示されている被爆資料の清掃体験に参加しました。若い人たちに収蔵・展示する資料や遺品の大切さを理解してもらおうと、今回から始まった取り組みです。

 清掃したのは「8月6日の惨状」というコーナーにある「破壊された街」の展示です。爆風で折れ曲がった鉄骨のはりや、高熱で溶けた金属の塊など大型の被爆資料が展示されています。閉館後、学芸課の宇多田寿子さんと谷本真由美さんと一緒に、約30分をかけて表面に付いたほこりをはたきで払ったり、紙雑巾で拭いたりしました。

 被爆瓦のように凹凸が多いものは、特に丁寧に扱う必要があり難しかったです。熱線で表面が溶け、ひどく曲がっている様子に原爆の威力を感じました。人も同じように肌を焼かれ、苦しんだのだと思うと胸が痛くなりました。

 大型資料は、できるだけ近くで見られるように、あえてガラスケースに入れていないそうです。宇多田さんは「多くの人に見てもらいながら、どれだけいい状態で保存できるかが重要です」と話していました。

 見ただけではよく分かりませんが、資料は変色や劣化が進んでいるといいます。一つ一つ時間をかけて、しっかりと資料を見たいと思いました。(高3鬼頭里歩、中3桂一葉)

(2020年1月20日朝刊掲載)

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