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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 カンボジアで協力隊 田中涼子さん

先入観を持たず歴史に触れよう

 カンボジアで2012年から約2年間、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として活動した三原市の小学校教諭、田中涼子さん(36)にインタビューしました。現地の教員養成を担当する中で、平和学習の模擬授業を積極的に行ったそうです。

 田中さんは、北東部のクラチェ州にある学校で約70人を担当しました。平和学習の一例として、学生の前で被爆による白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの絵本を読んだり、折り鶴を作ったりしてみせました。

 学生の大半は原爆被害について知らず、驚いたといいます。戦争中は加害国でもあった日本が受けた被害をどう伝えるべきか、悩んだそうですが、学生たちが懸命に折り鶴を作る姿を見て「平和を願う気持ちはみんな同じだと感じた」と振り返りました。

 今、小学6年のクラス担任をしている田中さんは、児童にカンボジアでの経験を伝えています。「海外は怖い、と先入観を持つのではなく、現地で土地の歴史や人のぬくもりに触れてほしい」と呼び掛けます。

 私は中高6年間のジュニアライター活動を3月で終えて大学に進学します。今後も取材で出会った被爆者の声を発信し続けながら、田中さんのように国際協力活動に参加したいです。(高3鬼頭里歩)

(2020年2月24日朝刊掲載)

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