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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 交渉会議 被爆者派遣資金募る 連絡会、CFを開始

 6月に米ニューヨークの国連本部で始まる「核兵器禁止条約」制定交渉会議へ被爆者を派遣するため、全国37の反核平和団体でつくる「ヒバクシャ国際署名連絡会」が1日、インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。「多くの被爆者の声を届け、実効性ある条約作りを後押ししたい」と呼び掛けている。

 会議は6月15日~7月7日で、3月に続き2回目。核兵器保有国の不参加などを理由に日本政府が参加を見送る中、今回は条約案がまとまる公算が大きい。派遣する被爆者は会議に出席するほか、議長や各国代表に会い、核兵器の非人道性や廃絶への願いを訴える。

 CFでは5月29日までに100万円の確保を目指す。達成すれば、既に派遣が決まっている日本被団協の和田征子事務局次長に加え、広島と長崎から1人ずつ現地に送れると見込む。

 出資は3千円から。出資者には国連本部での活動を報告するほか、金額に応じて被爆者の直筆メッセージが届くなどの返礼がある。長崎市出身の被爆3世で連絡会事務局の林田光弘さん(25)は「出資者には継続的に情報を届ける。CFを通じて、核兵器のない世界に向けて共に歩んでくれる人が増えてくれれば」と期待している。

 出資はhttps://camp―fire.jp/projects/view/28269から申し込む。(田中美千子)

(2017年5月2日朝刊掲載)

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