×

核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 修正案おおむね支持 核禁条約 詰めの議論へ

 米ニューヨークの国連本部で開かれている「核兵器禁止条約」制定交渉会議は27日午後(日本時間28日)、ホワイト議長(コスタリカ)が同日示した条約草案の修正案を巡る議論に入った。核保有国が期限を定めた核兵器の廃棄計画を提出すれば加盟を受け入れる規定を含め、参加国は修正案をおおむね支持した。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 修正案は、核兵器を持つ場合はそれを申告し、その後60日以内に、検証でき、後戻りしない廃棄計画について交渉するとした。核兵器の使用を前提にした配備から外すよう求める。条約交渉に反発する保有国が早く条約に加われるようにする狙いがある。

 会議で、ホワイト議長は「各国のアイデアを踏まえ、保有国にドアを開ける構造にした」と強調。加盟した保有国の廃棄が計画通り後戻りなく進んでいるかどうかを、「適切な国際機関」が検証すると定める条項の追加も説明した。

 これに対し、多くの国が賛同しつつ、詰めの議論を要望。ニュージーランドとメキシコは、核兵器を持ったままの加盟を認める一方で、禁止事項の一つに「保有」を盛り込んでいる点との整合性を課題に挙げた。

 禁止事項は、使用や開発などを含め当初の内容を維持。一部の国や日本の非政府組織(NGO)が明示を求めていた核兵器による「威嚇」は入っていない。いったん21日に「違法」と指摘する前文案が示されたが、27日の修正案では前文の表現が変わり、国連憲章を引用して一般的な武力による威嚇の抑制に触れるにとどめた。キューバなどは威嚇を禁止事項に記すよう再度要望した。

 前文ではほかに「被爆者」という言葉が引き続きあり、軍縮教育の重要性が追加された。ホワイト議長は禁止事項について重点的に議論する考えを示した。

(2017年6月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ