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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 核兵器禁止へ各国議論 第2回 条約交渉会議開幕

 「核兵器禁止条約」の制定へ、第2回交渉会議が15日、米ニューヨークの国連本部で開幕した。被爆者の苦しみに触れた前文や、核兵器の使用、開発、保有など全面的な禁止事項を盛り込んだ条約草案を土台に各国の政府代表が議論し、会期末の7月7日までに条約成案の採択を目指す。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 冒頭に、国連の中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)が演説。核軍縮の停滞に懸念を示し「交渉の効果として廃絶に近づくよう期待している」と述べた。

 続いて、ホワイト議長(コスタリカ)が3月の第1回会議を踏まえて作成、公表した草案の議論に入った。会期前半に一通り意見を交わした後、成案の詰めの作業に入るとみられる。

 会議では、非政府組織(NGO)の発言機会もあり、禁止条約実現を目指す平和首長会議の会長の松井一実広島市長が演説。日本被団協から派遣された広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(75)たち被爆者も現地入り。関連の集会などで核兵器廃絶を訴える。

 NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」によると、第1回交渉会議には非保有132カ国が出席。米ロなど保有全9カ国は欠席した。米国の核の傘に安全保障を頼る日本も、交渉不参加を表明している。広島、長崎両市や被爆者団体は外務省に対し、参加を求めている。

(2017年6月16日朝刊掲載)

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