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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 核禁止条約 15日から第2回会議

 「核兵器禁止条約」の制定に向けた第2回交渉会議が15日、米ニューヨークの国連本部で始まる。史上初となる核兵器の全面的な法的禁止を目指し、非保有国が主導。先月にホワイト議長(コスタリカ)が公表した条約草案の議論を深め、会期末の7月7日までに、条約成案の採択を目指す。

 3月の第1回会議での意見を踏まえてまとめた条約草案は、被爆者の苦しみに触れた上で、核兵器の使用や保有、開発を全面的に禁止している。第2回会議では初日に議長が草案を諮り、予定では21日までに前文や禁止事項について一通りの意見交換を終える。その後、詰めの議論に入るとみられる。

 非政府組織(NGO)の意見表明の機会が初日からあり、広島市の松井一実市長や広島・長崎の被爆者がそれに合わせ渡米する。

 NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」によると、第1回会議は非保有国132カ国が出席した。段階的な核軍縮を主張する米ロなど保有国全9カ国はボイコット。米国の核に安全保障を依存する日本政府は初日に反対意見を述べ、交渉には実質参加しなかった。2回目も不参加を明言しているが、広島、長崎両市や被爆者団体は参加を繰り返し求めている。(水川恭輔)

(2017年6月11日朝刊掲載)

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