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乙女の像に平和の誓い 岩国大空襲から75年 遺族ら50人参列し慰霊祭

 終戦前日の岩国大空襲から75年たった14日、岩国市麻里布町のJR岩国駅西側広場で犠牲者の慰霊祭が営まれた。参列した遺族ら約50人が冥福を祈り、不戦への誓いを新たにした。

 空襲が始まった午前11時15分に合わせて鳴るサイレンを合図に、参列者が一斉に黙とう。駅前整備に伴って、近くの公園から移された平和記念碑「乙女の像」に白菊を手向けた。

 空襲で祖父を亡くした同市中津町の松田一郎さん(73)は慰霊祭に初めて参列。「自分はおじいさんの顔を知らない。だが、年を取るごとにかわいそうだったという思いが強くなる。戦争はいけない。元気なうちはお参りを続けたい」と話していた。

 岩国大空襲では昼前約25分間、米軍が駅周辺一帯を爆撃。市史によると、517人が死亡し、30人が行方不明、859人が負傷した。(坂本顕)

(2020年8月15日朝刊掲載)

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