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[備後の戦後75年] 戦時伝える史料や写真 世羅 「証言展」で学芸員解説

 終戦の日の15日、世羅町甲山の大田庄歴史館で開催中の「平和への証言展」の説明会があった。戦時を伝える史料や写真約100点を前に、町教委学芸員の林光輝さん(49)が解説。「戦争を絶対に繰り返してはならない」と強調した。

 町内外から約10人が参加した。戦地へ向かった兵士のお守りとされた、千人の女性が縫い印を入れると無事に帰還できるとされた腹巻きなどを紹介。甲山防空監視哨について、「1945年8月6日に大型の敵機2機が三原市方面から現れ広島市へ旋回するのを確認し、尾道市の本部へ報告した」と説明した。

 町内での慰霊行事に触れ「一家の働き手を失う大変なこと」と訴えた。戦争体験者から聞き取りをした経験から「絶対に同じ体験をさせたくないと言われる。証言を文字に残して、後世に伝えていく」と力を込めた。

 広島市西区から訪れた小学校教諭金森康哲さん(65)は「地方でも戦争に関わらざるを得なかった現実が伝わった」と話していた。証言展は9月6日まで。月、火曜休館。(神下慶吾)

(2020年8月16日朝刊掲載)

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