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核廃絶へ政府は提言を 中区 ICAN川崎さん講演

 来年1月22日に発効する核兵器禁止条約を考えるシンポジウムが3日、広島市中区の原爆資料館であった。非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))国際運営委員の川崎哲(あきら)さん(51)が講演し、約150人が耳を傾けた。

 川崎さんは「条約によって米国など核兵器保有国への国際社会の目は厳しくなる」と強調。締結国を増やし、保有国への圧力を強めるには、市民が声を上げ続けることが重要と述べた。

 日本政府は核兵器の廃絶を掲げる以上、条約に参加する必要があるとも指摘。「もはや参加するか否かの議論をしている時ではない。締結国で原爆の被害と被爆者援護の経験を共有し、具体的な提言をすべきだ」と求めた。

 川崎さんたち有識者4人の討論もあった。シンポはNPO法人「ANT―Hiroshima」(中区)や平和首長会議(会長・松井一実市長)などが主催。尾長町(現東区)の自宅で被爆した岡田恵美子さん(83)=同区=は「世界中の国が条約に参加し、核兵器がなくなるまで証言活動を続けたい」と思いを新たにしていた。(松本輝)

(2020年11月4日朝刊掲載)

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