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岩国基地の騒音増加 前月比11月 艦載機帰還で2倍

 米軍岩国基地(岩国市)の航空機による騒音が11月に入って大幅に増えている。空母ロナルド・レーガンとともに周辺海域に展開していた艦載機が6日に同基地に帰還した影響とみられる。1日平均で比べると騒音の測定回数は10月の約2倍、市への苦情件数は約3倍となっている。

 艦載機が岩国で飛行を再開した11月9日から19日までの騒音や苦情の状況を市がまとめた。大声を出さなければ会話が成り立たないとされる70デシベル以上の騒音は、基地南側の尾津町で1日平均39・3回を記録。10月の2・2倍となった。北側の川口町は同27・5回で10月の2・3倍だった。

 住民からの苦情は同期間で202件と10月の1カ月間の190件を超えた。1日平均は3・0倍に上る。

 2018年3月に空母艦載機約60機が厚木基地(神奈川県)から移転を完了した後、月別の苦情の最多は同年5月の817件。岩国基地に関連する騒音は例年、艦載機が東京・硫黄島で実施する陸上空母離着陸訓練(FCLP)の前後の4、5月と、洋上展開していた艦載機が帰還する11月ごろに増える傾向がある。

 ただ、ことしは新型コロナウイルス感染拡大の影響で訓練方法の変更があったため、これまでは比較的騒音が少ない傾向だった。市基地政策課は「艦載機帰還後、騒音や苦情が増えているのは事実。今後の米軍の航空機の運用状況を注視したい」としている。(永山啓一)

(2020年11月25日朝刊掲載)

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