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広地区の昭和期 一冊に 呉の郷土史研究会が作製

 呉市の広郷土史研究会は、戦時中を中心に広地区の昭和期を振り返る冊子「呉市広町の昭和史」を作製した。広海軍工廠(こうしょう)と第11海軍航空廠の歴史、動員学徒の体験手記や復興事業など、20章で構成している。

 広海軍工廠については、当時の資料に基づいて工員の暮らしぶりなどを紹介。工廠の本部庁舎や式典の様子、工員教育で製図の実習に取り組む風景などの写真も添えた。

 動員学徒の手記は、1945年5月5日の米軍による空襲の体験などをつづる。低空からの機銃掃射の後、次々と人が担架で運ばれた光景を振り返り「まさにもう生き地獄」と記す。

 A4判、カラー刷り48ページ。千部のうち約900部を地区の小中学校や関係者、会員に配り、残りは1部千円で販売している。上河内良平会長(70)は「地域の歩みとともに、当時の生の声を記録として残しておきたかった」と話している。同研究会☎0823(71)6981。(杉原和磨)

(2020年12月2日朝刊掲載)

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