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ヒロシマつなぐ 図録販売始まる 資料館 22年ぶり刷新

 原爆資料館(広島市中区)は8日、「広島平和記念資料館総合図録―ヒロシマをつなぐ―」の館内販売を開始した。公式図録の刷新は1999年以来約22年ぶり。実物資料を柱に据えた2年前の展示リニューアルを反映した内容だ。

 原爆の犠牲になった学生の焼け焦げた制服や弁当箱などの遺品の写真とともに、犠牲者の最期の言葉を紹介。戦前戦後の広島の街の歴史や、放射線が人体に及ぼす影響、被爆者運動や核拡散問題も詳しく扱う。初版は日本語版、英語版を各5千部印刷。中国新聞社が制作に協力した。

 滝川卓男館長は「被爆者の苦しみや遺族の思いを感じ、次世代に継承するきっかけにしてほしい」と力を込める。修学旅行生の平和学習を支援している大中伸一さん(70)=中区=は「しっかり読み、活動に生かす」と2冊購入していた。

 A4判134ページ。館内のミュージアムショップで日本語版、英語版ともに1500円で販売。インターネット販売などはしておらず、来館できない人は現金書留で書籍代を同館に送れば、着払いで郵送してもらえる。(桑島美帆)

(2021年2月9日朝刊掲載)

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