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平和条例 広島市議と議論 若者有志 素案の経緯や条文

 広島市議会が議員提案を目指している平和推進条例(仮称)の素案について市民と市議が議論する公開イベントが14日夜、オンラインで開かれた。素案が作られた経緯や、条文の疑問点を市議に直接聞ける場をつくろうと、市内の若者有志が初めて企画した。

 平和活動に携わる若者たち29人が参加。条例制定を議論している市議会政策立案検討会議の委員9人には6日にメールやファクスで参加を依頼した。「当日予定がある」「各会派の代表で決めた素案であり、一委員が代表して発言できない」などの理由で多くが辞退。共産党の中森辰一市議だけが参加した。

 核兵器廃絶を目指す若者グループ「すすめ!核兵器禁止条約プロジェクト」メンバーの田中美穂さん(26)=西区=は素案が禁止条約に触れていないことを疑問視し、「市は条約を先導するべき立場だ」と言及を望んだ。平和を核兵器と戦争・武力紛争がない状態と定義した点では、飢餓や環境問題に触れておらず「狭い」と指摘する声も上がった。

 一方、中森市議は平和団体にアンケートした上で素案が作られたなどと説明。平和の定義の再検討に理解を示し「個人的には、より幅広い市民の意見を聞いて条例を仕上げる方法が必要と考える。検討会議で意見を出したい」と話した。

 中区のNPO法人「ANT―Hiroshima」理事の渡部久仁子さん(40)は「引き続き開かれた議論の場を設けたい」と話した。今後、検討会議の委員や市議会の各会派に条例についての公開インタビューを要請する。(水川恭輔)

(2021年2月16日朝刊掲載)

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