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平和条例の素案修正を 県被団協 広島市議会に意見書

 広島県被団協(坪井直理事長)は17日、広島市議会が議員提案を目指す平和推進条例(仮称)の素案の修正を求める意見書を市議会に提出した。市民の役割を市の平和推進施策に協力すると定めた5条と、平和記念式典を「厳粛の中で」行うとした6条2項について懸念を表明。「厳粛を追求することが言論の規制につながることは避けるべきだ」として、削除か修正を求めている。

 意見書では、式典が「厳粛の中で行われることを希望する」としつつ、「『お国のため』などとして全体意識の中で異論を口にできず」などと被爆者の戦時中の体験と反省に触れている。条例の制定は平和施策の推進へ心強いとし、素案にはない核兵器禁止条約への言及も提案した。

 この日、市議会事務局を訪れて担当者に手渡した箕牧(みまき)智之理事長代行(78)は「式典中に『やかましいのう』というほどの音は感じていない。みんながよいと思える条例にしてほしい」と述べた。(水川恭輔)

3市民団体は素案支持声明

 広島市議会が議員提案を目指す平和推進条例(仮称)を巡り、市民たちでつくる「静かな8月6日を願う広島市民の会」(東区)など3団体は17日、平和記念式典を「厳粛の中」で行うとする素案のまま条例制定を求める声明を、山田春男市議会議長に提出した。

 声明では、式典のあり方を「市民の理解と協力の下に、厳粛の中で行う」とする6条2項について全面的に支持すると表明。デモを念頭に、8月6日の式典会場周辺で「暴力的とも感じられる騒擾(そうじょう)」があるとし、条例は公共の福祉を回復する手段だと強調。厳粛な秩序の維持を求めるだけで「表現の自由を毀損(きそん)するとは到底考えられない」とした。

 同会は昨年8月6日に発足し、同9月に市に式典の静粛確保を要請。石川勝也代表(65)は「市議が時間をかけて練った条例案。そのまま通してもらいたいと見守る人が大半だ」と訴えた。

(2021年2月18日朝刊掲載)

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