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壊滅前の広島 積み木で制作 北広島の園児

 広島県北広島町の蔵迫こども園の園児たちが、平和記念公園(広島市中区)一帯の原爆投下前と、現在の街並みを積み木で作った。かつて民家や商店が並んでいた旧中島地区の様子や原爆の悲惨さを、積み木を通じて園児に知ってもらおうと同園が企画した。

 園児約70人が保育教諭たちと一緒に1月中旬から約2週間かけて園の一室に制作した。被爆前の街並みは、直方体や三角の積み木を組み合わせ、被爆後に原爆ドームと呼ばれるようになる前の県産業奨励館や、近くを走る路面電車、幼稚園などを作った。今の平和記念公園は、原爆ドームを中心に、原爆の子の像や原爆慰霊碑を配した。

 同園は子どもの主体性や協調性を伸ばそうと毎年度、全員で積み木を作る。本年度は「ヒロシマの街」がテーマで、園児は映像作家田辺雅章さん(83)=中区=が手掛けた被爆前の街のコンピューターグラフィックス(CG)や、当時の写真を見て事前学習をした。

 年長の室畑恒晴ちゃん(6)は「爆弾が落ちてたくさんの人が亡くなったことが分かって悲しい気持ちになった」と話していた。吉川順主幹保育教諭(46)は「成長する中で平和を求める気持ちを持ち続けてほしい」と願っていた。(山田太一)

(2021年2月22日朝刊掲載) 動画はこちら

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