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劣化防止へ設計変更 被爆遺構の展示施設 広島市

 広島市は2日、平和記念公園(広島市中区)の地下に残る旧中島地区の被爆遺構の展示公開に向けた有識者懇談会を中区で開いた。園内に整備して2021年度末の公開を目指すとした展示施設について、遺構の劣化を防ぐために設計の一部を変えると説明した。

 会合では市の担当者が、原爆資料館東館の北側に建てる平屋施設(60~70平方メートル程度)について、昨年8月に示した基本計画の変更点を説明した。約1メートルのひさしを出入り口に設けて日差しによる遺構へのダメージを抑え、室内の床の素材には靴底に付く雑菌対策に優れたビニールシートを使うなどとした。

 この日は、被爆者たち委員7人が出席した。委員からは、被爆当時、展示場所に住んでいた住民を特定するよう市にあらためて求める意見などが出た。

 市は展示施設で、焼け落ちた建物の土壁の実物や炭化した畳のレプリカなどを紹介する計画。今後は委員の意見を参考に、被爆前の街並みや暮らしを紹介する解説パネルの内容などを詰める。(水川恭輔)

(2021年3月3日朝刊掲載)

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