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在韓被爆者手記 韓国語版を寄贈 総領事館に市民の会

 「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」(大阪府)は4日、韓国人被爆者の証言をまとめた手記集「ヒロシマへ…」の韓国語版を駐広島韓国総領事館(広島市南区)に寄贈した。韓国の子どもたちに在韓被爆者の歴史を伝えるとともに、反核意識を高めてもらう。

 中谷悦子広島支部長(71)と世話人の豊永恵三郎さん(84)、安錦珠(アン・クンジュ)さん(57)が領事館を訪れ、金宣杓(キム・ソンピョ)総領事(55)に5冊を手渡した。中谷支部長が「小学高学年が理解しやすい文章にした。被爆した同胞の苦労が分かると思う」と語ると、金総領事は「韓国人被爆者のことを記憶し、支援してくださる人たちに感謝したい」と答えた。

 広島で被爆した3人の女性(いずれも故人)の手記を収録。被爆体験や、帰国後も被爆の後遺症と貧困で苦しんだことなどをつづる。1987年に初版を発行し、昨夏、年表などを加えた改訂版の韓国語版を千部発行した。この日は東区の広島韓国教育院や広島朝鮮学園などにも5~20冊ずつ届けた。(桑島美帆)

(2021年3月5日朝刊掲載)

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