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3・11震災 忘れない 福山で集会や黙とう

 東日本大震災の発生から10年を迎えた11日、福山市では市民団体がJR福山駅前広場で街頭集会「3・11フクシマを忘れないつどい」を開いた。市内や尾道市から参加した約20人が東京電力福島第1原発事故の現状を訴えるなどし、被災地に心を寄せた。

 1分間の黙とうの後、参加者は「フクシマを忘れない」と書かれた紙を掲げ、通行人に震災と原発事故の被災状況を記したチラシを配った。主催した「原発震災を考える福山市民の会」の坪山和聖(かずきよ)事務局長(66)は「今も故郷に帰れない被災者がいる。津波や原発事故を自分たちの問題として考え、同じ被害を繰り返さない事が大切だ」とマイクで訴えた。

 市によると、現在も市内には被災地から48人が避難している。市役所では、発生時刻の午後2時46分に職員が黙とうした。中部生涯学習センター(霞町)の牧平和典所長補佐(54)は、福島県南相馬市などに計1年3カ月派遣され、現地で税務課業務に当たった。

 黙とう後、牧平所長補佐は「自分たちも被災している中で激務に当たっていた現地の職員の姿が忘れられない。今後も被災地で見たことを後輩職員に伝え続けたい」と改めて決意した。

 尾道、府中、世羅、神石高原の各市町でも職員らが黙とうした。三原市は、発生時刻に合わせて市民防災訓練を実施した。(猪股修平)

(2021年3月12日朝刊掲載)

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