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追悼の光 紙灯籠の「3・11」 広島で集い

 東日本大震災の犠牲者を追悼する集いが11日、広島市中区の原爆ドーム対岸の元安川親水テラスであった。約320本の紙灯籠で「3・11」の数字を浮かび上がらせ、震災から10年の節目に記憶を風化させないよう決意を新たにした。

 市内の一般社団法人「震災復興子ども支援」が企画し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため参加者を限定して開いた。地震発生時刻に黙とう。続いて「3・11を忘れない」などと書かれた発光ダイオード(LED)電球入りの紙灯籠をともした。

 岩手県陸前高田市を襲った津波で、両親と兄を亡くした兵庫県西宮市の会社員村上幸枝さんは同法人の招きで参加した。「家族を捜した数カ月はとても長かったが、10年はすぐに過ぎた。もう一度、家族に会いたいという気持ちは今も変わらない」。静かに手を合わせていた。(石井雄一)

(2021年3月12日朝刊掲載)

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