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牛田の誇り ジャンボ紙芝居 原爆復興工事に中州の小石活用 上演DVD制作 配布へ

 広島市東区牛田地区の住民でつくる「牛田の歴史と文化を生かしたまちづくりの会」が、原爆投下からの復興工事に牛田地区の小石や砂利が活用された史実などを伝えるジャンボ紙芝居を作った。新型コロナウイルス禍で公演は難しいとみて、メンバー約10人が15日、地元の牛田公民館で上演。その様子を収録したDVDを、地元の小学校などに配る。(余村泰樹)

 題名は「ぼくはぐりちゃん~中ノ洲(なかのしま)のおはなし」。旧太田川(本川)の中州にある小石をモチーフにした「ぐりちゃん」が主人公となり、握りこぶし大のぐり石や玉砂利が原爆投下後、建物のコンクリートに使われた歴史を語る。

 1589年に築城が始まった広島城では、石垣などの材料に使われた話題を取り上げた。江戸時代に武士の子どもたちが遊びで石を投げ合った「石合戦」や、ぐり石の採取がなりわいになっていたことも解説している。

 会員の西坂悟さん(75)が地区の古老たちから聞き取った話を基に作成した。被爆75年の昨年から制作を始め、縦約1メートル、横約1・6メートルの紙芝居に仕上げた。上演時間は約30分。DVDは30枚を地区の小中学校や公民館に配る予定でいる。

 併せて、建立後500年を超す地元神社を紹介する「早稲田神社ものがたり」を仕上げ、ジャンボ紙芝居は計11作品となった。藤原通礼(みちのり)会長(81)は「牛田地区は転勤族が多い。子どもを中心に歴史を知ることで、地区に誇りや愛着を持ってほしい」と願っていた。

(2021年3月16日朝刊掲載)

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