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被爆当時の色合い再現 原爆ドーム保存 足場を撤去

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)を覆っていた足場の撤去が始まった。市が昨年9月から進めてきた5回目の保存工事がほぼ終わったため。高い場所から順次取り外されており、被爆当時に近いとされる焦げ茶色に塗り直されたドーム頂上の鋼材が姿を現した。

 足場は昨年10月、ドーム頂上の高さ約25メートル付近まで組み上がった。内部では、過去の工事でピンクに近い色に塗装していた頂上の鋼材を塗り直したり、柱のひび割れを補修したりした。作業の終了を受けて今月19日までに全て撤去し、現地で残る片付け作業も26日に終える予定としている。

 ドームの全容が見えるようになるのは5カ月ぶり。新型コロナウイルス禍で周辺の来訪者は例年を大きく下回る傾向にある。市公園整備課は「被爆直後の写真を参考に塗装し直し、外観を当時の状況に近づけた。訪れる人が徐々に増えてほしい」としている。(水川恭輔)

(2021年3月17日朝刊掲載)

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