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核兵器廃絶へ 英方針に懸念 松井・広島市長

 英政府が核弾頭保有数の上限を180発から260発に引き上げる方針を表明したのを受け、平和首長会議の松井一実会長(広島市長)は18日、コメントを発表した。「核兵器のない世界を希求するわれわれは大きな懸念を抱いている」と訴え、核兵器廃絶へ努力するよう求めている。

/  コメントでは、引き上げについて「実施されれば、核拡散防止条約(NPT)締約国に課せられた核軍縮義務に反する」と強調した。核兵器の非人道性を踏まえて、核抑止に頼る政策は成り立たないとの認識を十分に持つよう促した。

 平和首長会議は165カ国・地域の8019都市が加盟する。英国のジョンソン首相がかつて市長を務めていたロンドン市も加盟都市となっている。

 首長会議事務局の広島平和文化センターは同日、英国のマンチェスター市など25カ国の26役員都市に英語のコメントを電子メールで送った。各都市を通じて現地の市民に発信する。

長崎市長が抗議

 英政府の核弾頭保有数の上限引き上げ方針の表明で、長崎市の田上富久市長は18日、ジョンソン首相に抗議する文書を在日英大使館に送った。「原爆の惨禍を体験した街として到底容認できない」と訴え、今年8月に開催予定の核拡散防止条約(NPT)再検討会議への影響に懸念を示した。

(2021年3月19日朝刊掲載)

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