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ドーム 被爆時の姿 保存工事終了

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)で市が進めてきた保存工事で、現場作業が26日、終わった。足場や機材がなくなり、天井の鋼材が被爆当時に近い焦げ茶色に塗り直されるなどしたドームを、多くの観光客たちが見上げていた。

 この日は作業員4人が、機材を運ぶためにドーム周辺に敷いたゴムマットを取り除いた。愛知県岡崎市の会社員松山卓郎さん(56)は「多くの人を広島に引き寄せる大切な建物。後世に残す対策は良いことだ」と説明板を読み直していた。

 5回目となる保存工事は昨年9月に始まり、ドーム内部のらせん階段を塗り直したり、ひび割れの拡大を防ぐためにセメント材を注入したりした。当初は2019年10月までに終える予定だったが、3度の入札不調でずれ込んでいた。(久保田剛)

(2021年3月27日朝刊掲載)

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