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3月の騒音 最多1746回 米軍岩国基地 10年度以降 訓練活発化が影響か

 岩国市がまとめた米軍岩国基地周辺の2020年度の騒音状況で、基地南側の尾津町では3月に1746回の騒音を記録し、10年度の滑走路沖合移設以降の月別で最多だったことが5日、分かった。米ハワイ州に拠点を置く米空軍のステルス戦闘機F22ラプターが飛来するなど訓練が活発化した影響とみられる。

 市の騒音測定器は市内5カ所にある。「大声を出さないと会話できない」70デシベル以上の騒音回数は3月の尾津町で、従来最多だった19年5月の1614回より132回多かった。最もうるさかったのは、3月11日朝の104・1デシベル。基地北側の川口町でも1411回を記録。同じく19年5月の1572回に次いで2番目に多かった。

 6機のF22は3月12日、「数週間訓練する」として岩国基地に飛来した。今月5日、このうち4機が帰還したとみられる。市基地政策課の穴水辰雄課長は騒音の増加について「F22との関係は分からないが、全体的に訓練が活発化している。状況を見守る必要がある」と話した。福田良彦市長は3月31日、基地内でフレデリック・ルイス司令官に騒音の軽減を要請した。

 20年度の合計の騒音回数は尾津町で9301回。滑走路沖合移設後で最多の19年度より7回減だが、2番目に多い。川口町は7820回と同じく最多だった19年度比で606回減った。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、陸上空母離着陸訓練(FCLP)などの方法が変わり、訓練前後の4、5月の騒音が大幅に減った。(永山啓一)

(2021年4月6日朝刊掲載)

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